1500年ほど前から江南第一名園として隆盛を極めその名を馳せていた。幾度の戦災や動乱期を経ても今も尚、名園の面影と共に市民の大切な憩いの場です。
そもそも“莫愁”とは中国では“憂う事勿れ”の意味から、人様に悩み事や心配事等が発生したりする場合、慰めの言葉として愛用されていた。
歴史上、公園の名称も幾つか変遷がありました。今の「莫愁湖公園」に定着したのは美しい物語によるものだと伝えられています。
洛陽(河南省の街)出身で名前が「莫愁」という女性が南京に嫁いだ後、その美貌と才能特に持ち前の微笑で回りの人達を傾倒させ、憂い事や心配事があったら彼女の微笑を見ると不愉快なことを全て忘れてしまうほど、莫愁お姫様という愛称で慕われていました。又、故郷洛陽の牡丹を嫁入り結納として南京で栽培し繁殖させたお蔭で一気に牡丹は人気花となりました。その話を聞いた皇帝が莫愁の所を訪ね、彼女の美貌に見惚れ、妾に迎えようと、夫を毒殺してまで暴威を振るいましたが、莫愁は屈することなく、この湖に投身自殺しました。以降、莫愁お姫様を記念して湖の名前は「莫愁湖」と名つけられました。
文芸評論家の杉山助平氏は1937年末、南京で開かれた「朝日新聞」南京支局懇親会で下記のように発言している。
私が思うに戦争が一旦始まると勝つ為に手段を選ばなくなる。戦争下に於いてすべてのモラールは無力且つ無能である。今後の戦場に於いても戦闘員か非戦闘員かの区別すら出来なくなる。手早く殲滅することも一種の慈悲かも知れない。・・・聞いたばかりの話だが莫愁湖の畔で死んだ息子の遺体を抱え込んで雨の降り注ぐ中、三日も泣き崩す支那の老婆がいた・・・なのに天も地も一向無神経で助けはしない・・・。
昨年参加した南京ツアーの通訳兼研究者の戴国偉様から当サイトをご覧になられてお送りいただきました資料です。
南京虐殺を現わしていると私は考えています。
坂本正直長女 所薫子